「菜根譚」カテゴリーアーカイブ

11.功にも誇らず、罪過も潔く改める

 天下を覆うほどの大きな手柄でも、それを矜(ほこ)る心が生じたなら、この一個の「矜」の字には耐えられず、大きな手柄も意味をなさなくなってしまう。
 また、天に届き空いっぱいに満ちるような大きな罪悪も、悔い改める心が生じたなら、この一個の「悔」の字には耐えられず、どんな大きな罪悪も消滅してしまう。
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10.自らは一歩譲り、他には完全を求めず

 人が世の中を生きてゆく時には、自分から一歩を譲ることがより優れた道である。この一歩を譲ることが、それがそのまま一歩を進める根本となるのである。
 人を遇する時には、完全なことを求めないで、九分ぐらいに止めて、後の一分は寛大にして見過ごすようにするのがよいことである。
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9.分を守って生きる

 人から寵愛や利益を受ける時には、他人を押しのけてまで取ろうとしてはいけないが、世のため人のためになる道徳や事業を行う時には、人に率先して行い、人のあとからするようなことはしてはいけない。
 人から物を受け取る時には、一定の限度を越えてはならないが、自分が修行する時には、与えられたことを行うだけではなく、それ以上に努めなくてはいけない。
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7.平凡な生き方の中に道が備わる

 平凡な人間と生まれて、特別に何も高尚で遠大な事業をしなくても、ただ名誉や利益にひかれる世俗的な心を払い落とせたなら、それでもう名士の仲間に入ることができる。
 学問をなして、特別に何も学識を増す努力をしなくても、ただ外物によって心を煩わされることを減らし除くことができさえすれば、それでもう聖人の境地に到達できる。
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5.好調の時もおごらず、失意の時もあきらめず

 恩情があつい時は、昔から災害を起こしやすい。だから、自分の思い通りになり、心地よい時には早く反省して引き返すようにしなさい。
 また、物事が失敗した後には、逆に成功するものである。だから、自分の思い通りにならない時でも、やたらに手を放ち投げ出してはいけない。
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3.忠言と甘言を聞き分ける

 耳にはいつも聞きづらい忠言を聞き、心にはいつも思い通りにならないことがあったならば、それで初めて人間を徳に進ませ、行いを修めさせることのできる砥(と)石のような役割を果たすものとなるだけである。
 もし、言われる言葉がすべて快く耳に聞こえ、物事がすべて心に満足するようなら、そんなことではこの人生を自分で猛毒の中に投げ沈めてしまうようなものである。
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2.純朴で、世俗には妥協しない

 世間をまだ知らない若い者は、世俗の悪い習慣に染まることもまた浅いが、世の中の裏表をよく知った者は、世の中の様々なからくりに通じることもまた深い。
 だから、君子という者は、世俗のことによく通暁しているよりは、むしろ飾り気がなく愚直である方がよく、またつまらない遠慮をして謹しみ深いよりは、むしろ世間知らずで人から狂人といわれる方がまだよい。
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